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自然の恵み旬食材

ここ函館・道南は、大きな半島地形が生み出す食材の宝庫。
海の恵み、山の恵み、そして畑の恵みが盛りだくさん。

穏やかな気候が育んだ、土の中でじっくり甘さを蓄えたさつまいも

さつまいも

さつまいも

函館の冷涼な夏と穏やかな秋が育む新しい特産品

甘くてほっくりとした食感が魅力のさつまいもは、温暖な気候を好む根菜で、栄養価の高い野菜として古くから親しまれています。そんなさつまいも栽培が、近年、函館という意外な地で注目を集めています。

北海道といえば寒冷地のイメージが強いですが、函館は冷涼な夏と穏やかな秋に恵まれた地域です。近年の温暖化でさつまいもの生育適地となり、適度な寒暖差に加えて霜が降りる時期が遅いため、さつまいもが甘さを蓄えやすい環境が整っています。函館産のさつまいもは、熱を加えるとねっとりとした食感や甘味と、豊かな風味になりますが、これは、函館の気候が生育や成熟に必要な温度を確保しやすく、さつまいもが土の中でじっくりと成熟し、澱粉が糖に変わる過程を経て、甘さが引き出されやすくなるためです。こうして誕生した函館産さつまいもは、その高い品質と安全性で多くの人々に愛されています。

さつまいも栽培が函館で本格化したのは、平成28年のこと。函館市亀田農業協同組合(JA函館市亀田)の直売所で、新しい特産品を作ろうという試みがきっかけでした。当時の目玉商品として選ばれたのがさつまいもです。農家の方々も「果たして根付くのか」と思いながらも、「まずはやってみよう!」という気持ちで挑戦を始めました。

実際に栽培を始めてみると、北海道でさつまいもを育てることは簡単ではありませんでした。まずは育苗や栽培の試験が行われ、どの品種がこの地に適しているかが丹念に研究されました。泥炭地で栽培されるため、もみ殻を加えて土離れを良くし、育ちやすい土壌環境を整える工夫もされています。

試行錯誤を重ねた結果、平成30年にはついに栽培が本格化し、新規に栽培を始める農家も増えて、令和7年時点では当初の3倍以上の規模にまで広がっています。

多彩な品種が織りなす絶妙な味わい

函館産のさつまいもは、「紅あずま」「シルクスイート」「紅はるか」を中心に生産されています。「紅あずま」はホクホクとした食感と濃厚な甘さが魅力。「シルクスイート」はなめらかな食感と豊かな甘みが特徴で人気を集めています。「紅はるか」は、しっとりとした食感と強い甘みが特徴で、スイーツの材料としても人気です。さらに、「あかねみのり」「なると金時」「パープルスイートロード」「安納芋(あんのういも)」など、様々な品種が栽培されており、今後さらに多様な品種の栽培が期待されています。

手間ひまかけて育てられた甘さと多彩な加工品

さつまいもは、6月上旬に苗を手作業で畑に定植し、10月初旬から中旬にかけて重機と手作業を駆使して収穫されます。その後、収穫したさつまいもは、すぐに青果として販売されるだけでなく、甘さを引き出すために温度と湿度を管理した場所で保管され、干し芋やさつまいもペースト、スイーツなどさまざまな形に加工されます。これらは、函館近郊のスーパーや菓子店、函館市亀田農業協同組合(JA)の直売所などで、地域の特産品として販売され、多くの人に親しまれています。

地域の洋菓子店でも、函館産さつまいもが大活躍。特に、令和3年からは、たい焼き店が製造したさつまいもペーストが函館市のふるさと納税返礼品に登録されるなど、さらに広がりを見せています。函館産さつまいもは、食卓に彩りを添えるさまざまな形で親しまれる存在になりました。

生産者から

安心安全なさつまいものおいしさを届けたい

安川 満江

安川 満江さん

安川農園

安心安全なさつまいものおいしさを届けたい

函館市昭和地区で4代続く農家です。安川農園では、もともとさまざまな作物を栽培していましたが、平成28年頃からさつまいもに本格的に取り組むようになりました。現在栽培しているのは「シルクスイート」と、今年から新たに挑戦している「安納芋」の2種類です。これらは実際に自分たちで育て、試食して納得した品種を選びました。
さつまいもの栽培は、日々研究と挑戦の連続です。無病無菌のウィルスフリー苗を使用し、農薬を使わない方法で栽培しています。これは、安心・安全でおいしいさつまいもをお届けするためのこだわりです。
10月の初めに収穫したさつまいもは、甘みを引き出すために、約1ヶ月間じっくりと保管します。この間、寒さに弱いさつまいもは、湿度90%、気温12~13度の保管庫で大切に管理し、12月頃にようやく出荷が始まります。
直売所では12月頃から焼きいもの販売を始めますが、地元の皆さんから「甘くておいしい」との声をいただくと、大きな励みになります。また、JA函館市亀田女性部では、干し芋やさつまいもペーストの加工品づくりにも携わっています。
今後は、さつまいもの生産量をさらに増やし、安定して保管できる体制を整えることを目標にしています。生産規模を拡大することで、より多くの消費者の皆さんにおいしいさつまいもを届けることを目指してます。研究と努力を重ねながら、さつまいもの可能性をさらに広げていきたいと思っています。

重機を使用し、1レーンずつていねいにさつまいもを掘り起こしていきます。

重機を使用し、1レーンずつていねいにさつまいもを掘り起こしていきます。

掘り起こされたさつまいもは、品種や大きさごとに手作業で仕分けしていきます。

掘り起こされたさつまいもは、品種や大きさごとに手作業で仕分けしていきます。

選別されたさつまいもは、大きなコンテナに山積みになっていきます。

選別されたさつまいもは、大きなコンテナに山積みになっていきます。

土の中でじっくり甘みを蓄えたさつまいも。

土の中でじっくり甘みを蓄えたさつまいも。

一つ一つ心を込めて、干し芋やペーストへと加工。JA函館市亀田女性部は、栽培から加工、製品化まで手掛けています。

一つ一つ心を込めて、干し芋やペーストへと加工。JA函館市亀田女性部は、栽培から加工、製品化まで手掛けています。

「函館育ち。ほっ、とおいしいほしいも」は、函館市内や近郊のコープさっぽろ、函館市亀田農業協同組合直売所「ファーマーズマーケット亀ちゃん」で販売されています。

「函館育ち。ほっ、とおいしいほしいも」は、函館市内や近郊のコープさっぽろ、函館市亀田農業協同組合直売所「ファーマーズマーケット亀ちゃん」で販売されています。

さつまいもについて

産地
函館市
収穫時期
10月初旬〜10月中旬
代表的な生産者
函館市亀田農業協同組合
住所
北海道函館市昭和4丁目42-40
電話番号
0138-46-6883
関連リンク
函館市亀田農業協同組合

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