函館で活躍する
料理人と函館料理
地元の食材を生かした渾身の一皿をご紹介します。
菊池 隆大きくち たかひろ
日本料理
旺盛な探究心と磨き続ける技が生み出す和食
函館市出身。函館短期大学で栄養学を学び、付設の調理師学校で同時に実技も身につけました。卒業後は、函館・湯の川温泉の老舗割烹旅館で、和食料理人の道へ。その後、市内のホテルや料理店で修業し、2015年からは「炭火割烹 菊川」で花板を務めました。「掬〜owe〜」を近日開店予定。生まれ故郷の風土や食材に惚れ込み、函館を仕事場にし、和食の世界で日本一を目指したいという夢を語る菊池さん。素材や調理法に対する旺盛な探究心と包丁の技を携え、コンクールにも果敢に挑んで入賞多数。若手料理人の全国コンテスト「RED U-35」では、強豪揃いのなか、2017年ブロンズエッグ(第一次審査通過)に輝きました。全国で活躍する様々なジャンルの料理人たちとの交流を通して、研さんを積みながら、函館の食を積極的に発信しています。2017年、第54回全道調理師技能コンクール日本調理部門金賞受賞。

神経〆トキシラズとグリーンアスパラの炭火焼き はこだてXO醤添え
魚の熟成感と野菜のシャキシャキ感をひと口で楽しむ

函館・坂井商店が扱う船上で神経〆されたトキシラズ(春〜初夏に北海道沖を回遊する若サケ)と、函館近郊・厚沢部町の長谷川博紀さんが栽培するグリーンアスパラをメインに。神経〆トキシラズが持つ熟成感のある旨みをグリーンアスパラのシャキシャキ感と共に楽しんでもらおうと、俵巻きにして炭火焼き。中のアスパラは蒸し焼きになり、ジューシーさが閉じ込められます。また、アスパラの穂先は直火で焼き、味わいの違いが感じられるようにひと工夫。さらに、酢漬けの紫アスパラをさっぱりとした口直しに。手前に添えられるのは、菊池さん特製の「はこだてXO醤(エックスオージャン)」。かんかい、干し貝柱、するめといった地元の魚介類で作る、凝縮された旨みを持つ万能の調味料です。それだけを口にしても酒の肴になりますが、料理と合わせると、ひと味違う風味が引き出せます。
提供時期:6月~7月(入荷状況による) コース料理で
2018年5月取材、2018年11月更新
もう一皿

越冬じゃがいも、ゆり根、グリーンアスパラ うにバターソース和え
道南産の野菜3種。越冬して糖分が増したじゃがいもは、70℃で1時間蒸し上げ、本来の甘みを引き出します。ゆり根はしっとりと茹でて、新鮮なアスパラは炭火焼きで。それぞれに異なる調理が施され、いろいろな食感を持つ野菜たちは、いったん土鍋に集い、温かなまま出番を待ちます。特製のうにバターソースは、「はこだてXO醤」を隠し味に加え、一晩ねかせて旨みを増した名脇役。客の目前で丁寧に盛られ、ソースが添えられます。うにの甘みを程良く感じるソースは、野菜に調和を与え、それぞれの味わいが見事に引き立ちます。菊池さんの采配が光る一皿です。
2018年5月取材、2018年11月更新